初回限定盤――どうもコイツがいけない厄介者なんだ。

どうしても欲しい品というわけでもないんだが、「まあいつか、そのうちにでも買いましょう」、なんて余裕の気持ちがよくない。

気が付けば光陰矢の如し、あっという間に品切れてしまう。

だから通常盤CDでも変わりはないだろうと思い買ってみたものの、いざ全国握手会が祭りのように始まりだすと、おのれの参加チケットが無いことに気づき、居ても立ってもいられない。

現地会場では当日限りの催しや歌などを披露して、あんなにも楽しそうではないか。

ならば僕も交ぜてくれ。

急いで会場に向かったところ、そうだ、全握チケットがない、入口のモギリの女係員、不思議そうにこちらを見ているではないか。

ああ、悪かった初回限定盤、あのときお前を買わずにいたのが間違いだった。この通り反省している。通常盤CDならある、だから会場に入れてくれ。

何度も頼み込んだが、モギリの女は入れてくれなかった。

ふん、なんだ。たかだか全国握手会ではないか。

この寒空の下、長時間も待たされた挙句、たったの3秒間の握手をするだけではないか。

どうせ人気メンバーと握手するためには5時間も待たされる、半端者では心が折れるに決まってる。

「それならば、待ち時間が短いレーンに並べば良い」

なに？

遠路はるばる会場にやってきて、寒い思いをして長時間待たされたのだ、誰でも彼でも、そう安々と握手する気にもなれないぞ。

この頃、１推し以外の女との握手にあまり興味がなくなってきたのだ。

おのれの握手は推しメンとだけするためにある、特別な握手だ、そんな気持ちもするではないか。

「だが、他の女なら待ち時間なしだ。今すぐに握手できる。　見てみろ、まさに引く手あまた、レーンの女達が今か今かとお前の握手を待っているぞ。」

いいや、僕は目当ての女と握手がしたいがために、そのために長時間も待たされ続けているのだ。

好きな女と握手はできず、他の女とは今すぐ握手ができる。

まるで片方の靴だけ履いて歩いているような不自然さを感じる、いっそ靴を脱いで、裸足で走ってみたらさぞ気持ちが軽々するだろう。

ああ――こんな想いで全握に参加するなら、元より通常盤で良かった。

そうとも、普段のシングルなら通常盤でも構わない。

しかしだ！

今回の宮脇咲良センターのAKBシングルだけは、新曲「希望的リフレイン」だけは、絶対に初回限定盤を買い逃す訳にはいかないのだ！

なぜならば、宮脇咲良のいるCDジャケットが、この「初回限定盤タイプA」だけだからだ！

Amazon　希望的リフレイン Type-A初回限定盤(多売特典付き)

この宮脇咲良の写った初回限定盤タイプAだけは、買い逃す訳にはいかない。

これを買わずに、うっかり見過ごしてしまったなんてことになれば、死んでも死にきれぬ。

だが安心した。

幸いにも、まだ在庫はある。DMMと楽天だ。

先着のショップ限定の特典もついているし、この２つなら定価より安く買える。助かった。

Amazonは早くも品切れで価格が3000円になってしまった。おお、こんなに値上がりしたものを買う気にはならないぞ。

あなたがまだ初回限定盤を買っていないのであれば、品切れになる前に確保を急ごう。

後から値上がってしまう前にね。

追伸

無事に届いたよ。

宮脇咲良たんのいる初回限定盤タイプAだ。

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楽天　【先着外付け特典：楽天ブックスオリジナル生写真】希望的リフレイン.